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  • 執筆者の写真Rajasthani Madhu

私が憧れたのは30年前のラージャスターン❸ ~初めてのインド、Queen Harishとの出会い

ここまでのお話はこちらの記事へ




藁にも縋る思いで上京をし、やっと憧れのラージャスターンの踊りができる!

と期待を胸に毎週教室に通い始めた。


しかし、その頃まだ情報をあまりなかった私でもわかるほどに「これはきっとこの先生がアレンジされた踊りなんだ」ということに気づいた。


「私は蛇使いのカルベリヤの踊りがしたいんですが」と伝えると、

「私はあのようなカーストの低い人達の踊りはしません」という言葉が返ってきた。


カーストが低い踊りってなに?

この頃はまだインドのカースト制度が今も残っていることをよくわかっていなかった。

カルベリヤがどういう人達なのかということも。


?と怒りと悲しさで、「自分でインドに行って習ってきます」と言って教室をあとにした。

それ以来、その教室には戻っていない。


これは上京して約半年が経った日のことだった。

その帰り道、「私は何しに東京にきたんだろう」と悲しくて悔しくて、涙も出なかった。

あの美しい、かっこいい踊りがこんな風な見方をされてしまうんだというショックも大きかった。


捨て台詞のようにはいた「これはもうインドに行くしかない!」を実現するしかないと心に決め、その日の帰り道はインド料理店(たぶんネパール笑)に入ったのを覚えている。


さて、インドに行くと決めたが、海外に行ったことのない私、どうすればいいのか?


ビザってどうすればいいの?

英語も全くできないのにどうしよう、、、

インドってなんか危険とか汚いとか聞くし大丈夫かな。

でも絶対行きたい!

もう自分がインドに、ラージャスターンにいる姿しか想像していなかった。

日に日にインドへの憧れは増していったある日、こんなフライヤーを目にした。


映画「ジプシーキャラバン」で世界的人気ダンサーとなったQueen Harishがラージャスターンから来日するという。


ジプシーキャラバンは、私もチェック済で、生まれて初めての「ロマ音楽」を体験した一本だった。


同じくジプシーキャラバンにも登場していたtaraf de haïdouks(タラフ・ドゥ・ハイドゥークス)という、ルーマニアのロマ音楽グループとの共演!


東京で!、、、私今東京に居る!


このほかにも、ベリーダンススタジオのDevdasiスタジオさん主催の公演やワークショップがあった。



勿論全てのチケットを即購入した。


タラフとの公演当日は東京に台風がやってきていた。


東京の台風は札幌の台風と比じゃないよ、気を付けて!

と家族にも言われたいたが、そんなことお構いなしで私はでかけていった。


当時東京にダンスを一緒に観に行くような仲間は誰一人おらず、

どちらも一人で観に行ったけど、

興奮を抑えきれず客席で立ち上がって声を出していたのを覚えている。


公演終了後、Harishがインドから持ってきたグッズを販売していた。

これは絶対買いたいし、近づけるチャンス!


ここに来る前に、外国人の友人に教えてもらった英語2つだけを何度も繰り返し頭の中で練習しながら、、、Harishの目の前に到着。

いくつかのアクセサリーを買って、手にメヘンディーをしてもらった。


「I want to be like you」(あなたのようになりたいです)

「I will go to your workshop. Please Remember me」(あなたのワークショップに行きます、私のことを覚えていてくださいね)


たぶんちゃんと言えてたはず!笑


Harishはなんて言ってくれたかはっきり覚えてないけど、

私の頬をなでて、しっかり目を見て、ハグしてくれた。


※当時なんとも化粧気のない私。


帰り道、夜も遅かった。

本当に体験したことないような暴風雨で、傘も差せないほど。

駅から家までの道も誰もいない。


まだ脳内で音楽やHarishの踊り、公演終わりにHarishと話した会話、ヘナをしてもらった手。


興奮おさまらず、唄いながら踊って帰路についた。(映画ジョーカーみたいな、ちょっとやばい人に見えていたかもしれない)



続く。







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